「本とその周辺をめぐる、6 か月とちょっとの旅」刊行のお知らせ
小説家の福永信さんとブックデザイナーの 仲村健太郎さんが、恵文社一乗寺店にて半年にわたり開催した小説を書くワークショップ「本とその周辺をめぐる、6 か月とちょっとの旅」。書くことと同時に、小説が掲載される「本」そのもののことまで考えるユニークな内容で、 ウェブでの告知直後に定員オーバーになるほどの注目を集めました。その成果をまとめた、生まれたての新人作家たちによるオムニバス作品集を当店より刊行します。
編集者、イラストレーター、学生、作家志望と、非小説家による創作を、小説家が磨き上げる過程が記録されたドキュメントでもあります。小説が生成される瞬間とは?さらには小説が本になって読まれることとは?常にメタな視野をもって創作を続ける福永信ならではの視点で、ワークショップ終了後も半年間のブラッシュアップを重ねて完成したささやかな短編群。
クロス装に箔押しが施された仲村によるスマートなデザインは、収録した小説をやさしくつつみこみ、読者にそっと手わたすにふさわしい仕上がり。過去の作家たちの著作とともに棚に並べても違和感のない佇まいです。
各短編には、注目を集める新進イラストレーター・イケダマメ(本ワーク ショップ参加者)のイラストが彩ります。 また、振り返りの座談会、本ワークショップの企画者である私、堀部へのインタビュー、福永による書き下ろしの「奥付」も添えた、楽しい 1 冊になりました。
尚、本書刊行に合わせ、7月1日から15日まで当店内ギャラリースペースにて企画展を開催します。読む小説をどのように可視化し、展示するのか。こちらもワークショップの延長と呼べるものになるはずです。どうぞお楽しみに。