「低忠実性鼻腔の実験室」開催のお知らせ
ことの始まりは大学の図書館で閲覧したフールニエのタイポグラフィに関する古い書物。マーブリングが施された小口より醸し出されるドライフルーツのようなほのかな香り。匂いはインターネットで検索することができない。長い年月を経て本の香りを感じ、それを言語化しようとする過程の愉しみにとりつかれた著者は、以後何を嗅いでも何かを思い出した。
東京の下町ですれ違うお相撲さんの匂い。バスや電車で出会う体臭、木の匂いのする香水、燃える理髪店の匂い、ブエノスアイレスの官能的な香り。18本の匂いにまつわるエッセイの中ほどに、4種の香り付きペーパーチップが綴じ込まれ、読者はそこから香りにまつわるワークショップへと誘われる。
5月14日、当店近くの京町屋「bonjour現代文明」を会場に開催されるワークショップ「低忠実性鼻腔の実験室」では、主催の庄子結香さん編集・デザインによる冊子”lo-fi nose”を参加者の皆様に配布します。縦長のハードカバードイツ装の表紙を開けば、トレーシングペーパーとシンプルな文字組みが。これだけで参加費分の値打ちはある素晴らしい造本。4種の香りの正体はワークショップに参加した方だけに明かされる秘密。
会場の雰囲気も含め、ぜひご体験いただきたい企画。詳細・ご予約受付はこちらから。