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オルタナティブ民俗学 第三回 〈東北〉〈沖縄〉は周縁か、中心か

オルタナティブ民俗学 第三回 〈東北〉〈沖縄〉は周縁か、中心か

2024.4.13 19時〜

日本民俗学の発端に位置づけられる柳田国男の『遠野物語』『雪国の春』と『海南小記』は、〈東北〉〈沖縄(琉球・南島)〉を“発見”した著作として評価されています。しかし、柳田はあくまでも〈東北〉〈沖縄〉に外側から来た旅人であり、内側からのまなざしではありませんでした。一方で、民俗学者による“発見”が、内側に暮らす人々の民俗学的関心を呼び起こしたことも事実です。

〈東北〉については柳田国男、折口信夫から赤坂憲雄ら外側からの調査者に対し、佐々木喜善、小井川潤次郎、山口弥一郎、川島秀一など、内側で生まれ育った民俗学者たちも、数多くの民間伝承を採集し、民俗誌を著しています。〈沖縄(琉球・南島)〉についても同様で、外側から来た柳田、折口、谷川健一らの仕事が、内側の伊波普猷、仲松弥秀、山下欣一らを刺激しました。またアイヌについても言語学者・金田一京助の研究が知里幸恵・真志保を目覚めさせたといえるでしょう。

〈東北〉〈沖縄〉は中央の民俗学者にとっては“周縁”でしたが、そこに住む人々にとっては“中心”にほかありません。今回は〈中心〉と〈周縁〉の視点から、民俗学のオルタナティブについて考えてみたいと思います。

  • 島村恭則

    民俗学者。1967年東京都生まれ。関西学院大学社会学部長、教授。世界民俗学研究センター長。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科文化人類学専攻単位取得退学。文学博士。専門は、現代民俗学、民俗学理論。韓国、中国、日本各地などでフィールドワークを行なっている。著書に『みんなの民俗学』(平凡社新書)、『民俗学を生きる』(晃洋書房)、『〈生きる方法〉の民俗誌』(関西学院大学出版会)、『日本より怖い韓国の怪談』(河出書房新社)ほか。新刊は『現代民俗学入門』(編著、創元社)。

    https://kgsocio.info/interview/006/
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  • 畑中章宏

    民俗学者。1962年大阪府生まれ。近畿大学法学部卒業。災害伝承・民間信仰から、最新の風俗・流行現象まで幅広いテーマに取り組む。著書に『天災と日本人』『廃仏毀釈』(ちくま新書)、『柳田国男と今和次郎』『『日本残酷物語』を読む』(平凡社新書)、『災害と妖怪』『忘れられた日本憲法』(亜紀書房)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』(春秋社)、『宮本常一』(講談社現代新書)ほか。新刊は『『忘れられた日本人』をひらく』(共著、黒鳥社)。

    https://twitter.com/akirevolution

開催日
2024年4月13日(土)
時間
19時〜
会場
誠光社
定員
満席につきご予約受付を終了しました。
ご参加費
1500円+1ドリンクオーダー