藤井光 × 藤野可織「奇想の同時進行」
2016.5.7 19時-20時半
藤井光さんが翻訳されたマヌエル・ゴンザレスの短篇集『ミニチュアの妻』(白水社)は、妻をマグカップ大にまで縮めてしまった男、職場で人妻への恋に悩むゾンビ、部族を丸ごと一つ捏造した文化人類学者などの奇想が、ページをめくる度に飛び出します。
藤野可織さんは『ミニチュアの妻』の帯に、「こんなの全然知らなかったけど、薄々こういうことなんじゃないかとも思ってた。忘れられた文明の記録を見つけた気分だ。はじめはとんでもなく珍しくて、読み終えるころには恋い焦がれるほどになつかしい。」と書かれました。
ばらばらな土地で、個別に発せられた声に親しみを覚えるのは、その奇想に切実なリアリティを感じるからだと思います。
藤井光さんと藤野可織さんには、2014年の9月に、セス・フリード『大いなる不満』と藤野さんの『おはなしして子ちゃん』を題材に対話して頂きました。
今回は、『ミニチュアの妻』や藤井さんのエッセイ『ターミナルから荒れ地へ』、藤野さんの『絵本 御伽草子 木幡狐』などを主な題材に、奇想のリアリティについて、翻訳、創作についてお話いただきます。
「この世界が耐えがたいものとして感じられるとしても、そのなかに住まう人々に、今とは違う住処がありうるのだと示すこと。この時代における文学の存在意義はそこにあるのではないだろうか」(藤井光)
テキスト:熊谷充紘(ignition gallery)
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藤井 光(ふじい ひかる)
1980年大阪府生まれ。北海道大学大学院文学研究科、日本学術振興会特別研究員を経て、現在同志社大学文学部准教授。
主な訳書にデニス・ジョンソン『煙の樹』、サルバドール・プラセンシア『紙の民』、ロン・カリー・ジュニア『神は死んだ』、マヌエル・ゴンザレス『ミニチュアの妻』(以上白水社)、ダニエル・アラルコン『夜、僕らは輪になって歩く』、テア・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』、セス・フリード『大いなる不満』(以上新潮社)、ロレンス・ダレル『アヴィニョン五重奏』(河出書房新社)など。
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藤野 可織(ふじの かおり)
1980年京都市生まれ。同志社大学大学院美学および芸術学専攻博士課程前期修了。
2006年「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞、2013年「爪と目」で第149回芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』で第2回フラウ文芸大賞受賞。著書に『パトロネ』『ファイナルガール』などがある。
- 開催日
- 2016年5月7日(土)
- 時間
- 19時-20時半
- 会場
- 誠光社
- 参加費
- 1700円+要1ドリンクオーダー
- ご予約方法
- 下記アドレスまで必要事項を明記の上、お申し込みください。
[ignition.gallery@gmail.com]
件名 : 「奇想の同時進行」
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