和田誠 シルクスクリーン展
2023.6.1 ー 6.15
終了しました
和田誠さんは20代の頃、約9年の間、新宿丸井の場所にあった「新宿日活名画座」のポスターを無償で制作していました。粟津潔さんや杉浦康平さんの紹介で多摩美在学中からたびたび見学に行っていたシルクスクリーンの印刷会社サイトウプロセスの社長からの依頼でした。
「君は映画が好きだそうだからポスターに絵を入れてみるか。ただし絵を入れるのは映画館からの注文じゃないからお金は払えない」。そんなことはおかまいなしに、9年間、月平均2枚のポスターを制作。映画を見に行くときも鑑賞券は自分で支払って入場したといいます。
今回展示する作品は、1965年に開催された伝説のデザイン展「ペルソナ展」に出品するために、新宿日活名画座のポスターの原画を新たにシルクスクリーン印刷したものです。
貴重な作品をぜひご覧ください。
現在、美術館「えき」KYOTOにて回顧展を開催中(〜6月18日)。「新宿日活名画座」ポスターも展示されています。
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和田誠
1936年大阪市東住吉区生まれ(〜2019年)。多摩美術大学図案科(現・グラフィックデザイン学科)卒業。広告デザイン会社ライトパブリシティに入社し、たばこ「ハイライト」のデザインなどを手がける。同社退職後は、フリーランスのイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍。短編アニメーション『MURDER!(殺人!)』で毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞。1964年横尾忠則、宇野亞喜良とともに東京イラストレーターズ・クラブ設立。1965年、雑誌「話の特集」のアートディレクターを担当(~95年)。1973年から映画の名台詞のエッセイ「お楽しみはこれからだ」を連載。1984年映画「麻雀放浪記」を初監督し、第9回報知映画賞新人賞受賞など受賞多数。
デザイン分野だけでなく、映画監督、エッセイ、作詞作曲、訳詞、翻訳など多方面で活躍した。
写真:吉田宏子
- 開催日
- 2023年6月1日(木) ー 6月15日(木)