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喫茶店のディスクール 第二回 ローカルであることの利点と必然性

喫茶店のディスクール 第二回 ローカルであることの利点と必然性

2022.5.14 18時〜

「ローカルでやる利点っていうのは余分な金と時間を商品開発と自分たちの経営にダイレクトにつぎ込めるってこと」

「その点カフェブームにおける喫茶店は非常に優秀だったと思うよ。田舎のボロ小屋カフェとか、無理な家賃から逃れてビジネスとしては上手くやっていた。でもそれにまつわるストーリーがいわゆる「ほっこり系」みたいなものしかなかったのかなという残念さはあるよね。当事者としてはそうじゃなかったケースもあったはずなんだけど、それが消費されるに至ってから急激にそういうストーリーの店が多発するじゃん」

「だってみんな安くて美味いものが好きでしょう。提供する側もそれに答えてなんぼ。そうすると無茶苦茶家賃の高いところでやる必要性って、客が来てくれさえすればまったくないよね。河原町でコーヒーショップやって、同じ値段で美山町でコーヒーショップができるとすれば三倍くらいいい材料使えるよね。使わないんだけどみんな、そこが問題」

(『喫茶店のディスクール』(仮題)より)

「田舎暮らし」や「土とともに生きる」みたいな手垢にまみれたシンプルなストーリーを拭い去り、必然性の元に生まれた場所で、地のものを利用して店や場を作れば、都市部のそれよりも何倍もクオリティの高いものができるはず。そうやって出来上がったものを、またシンプルなストーリーに還元しようとする消費者やメディアからいかにして場を守るのか。

現在『喫茶店のディスクール』(仮題)を編集中の当店堀部と、著者オオヤミノル氏が、クオリティの高い食文化が根付く多賀町を舞台にそんな話を展開します。

  • オオヤミノル

    1967年京都生まれ。焙煎家。

    オオヤコーヒー焙煎所・KAFE工船・Cafe gewa・白浜STAND等運営。日本におけるコーヒーのオールドスクールが現在の世界的コーヒームーブメントの祖と考える。
    ナショナリスト嫌い、超越主義者嫌い、自身の体型に無頓着な人嫌い、恥をかけない人大嫌い、マイノリティを利益とする人嫌い、無知でも良いと考える人大嫌い、名前通りの味でない食物嫌い、笑えない事柄大嫌い、にて現在に至る。
  • 堀部篤史

    京都市左京区出身。1996年、恵文社一乗寺店にアルバイトスタッフとして勤め始め、2002年より店長を務める。2015年同店を退社、独立し、同年11月京都市上京区河原町丸太町の路地裏にて「誠光社」をオープン。大手取次を介さず、出版社と直取引や、少取次を利用し商品構成をする、新刊書店の新たなビジネスモデルを模索する。著書に『街を変える小さな店』(京阪神エルマガジン社)、『90年代のこと』(夏葉社)ほか。

開催日
2022年5月14日(土)
時間
18時〜
会場
胡宮神社
ご参加費
1500円+1ドリンクオーダー
定員
30名さま

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