ルイジ・ギッリの写真が教えてくれること 河内タカトークイベント
2018.8.29 19時〜
実験性と美しさが稀有なバランスで同居するルイジ・ギッリの写真。今年の夏イギリスのMACKより刊行された”THE MAP AND THE TERRITORY”には、ギッリが写真家として撮り始めた最初の10年、主に1970年代の作品がテーマごとに掲載され、その全体像が把握できる写真集として話題をあつめています。
『写真講義』(みすず書房刊)という雄弁かつ実践的な講義録も遺しているギッリのカラー写真は、言葉を超えて観るものを魅了すると同時に、この厚めの本から分かるように論理や写真史に基づいて生み出されたコンセプチャルな作品でもあります。その一方で、ギッリの写真の魅力を言語化することは決して易しくはありません。写真に関しては不毛とも言われてきたイタリアの片田舎に生まれ、生前ほとんどその活動が海外で知られることもなく、49歳で突然夭逝してしまったギッリ。ゆえに、現代写真史上の位置づけもいまいち見えにくい上、ギッリの作品や文献も少ない日本では彼の写真の本質や背景が見えづらいという状況です。
眺めるだけでもかなり満足感を得ることができるギッリの写真ですが、もう少し踏み込んで作家のことや作品の背景を知ることができれば、きっと今回の写真集を眺めるのがさらに楽しくなるはず。そこで今回、美術と写真を並列に紹介した名著『アートの入り口』でおなじみの河内タカさんをお迎えし(昨年、ボローニャに住むギッリの娘さんを京都まで連れてきたそうです)、ギッリの写真についていろいろな引用や比較、そしてギッリ自身の言葉を交えながらお話しいただきます。
ウォーカー・エヴァンズ、ウィリアム・エグルストン、コンセプチュアル・アート、ニュー・バウハウス、タイポロジー、他にも彼が好んだ音楽やレコードジャケットなど、さまざまな分野にリンクしながらお届けする「ルイジ・ギッリの写真が教えてくれること」。会場では普段手にとる機会の少ないギッリに関連する洋書写真集も取り揃えてお待ちしております。ギッリが残してくれた作品と彼の写真に対する考え方を知る機会になるとともに、写真集やアートブックを眺める楽しさも発見できるトークになるはずです。どうぞお楽しみに。
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河内タカ
高校卒業後、サンフランシスコのアートカレッジへ留学し、卒業後はニューヨークに拠点を移し、現代アートや写真のキュレーションや写真集の編集を数多く手がける。長年に渡った米国生活の後、2011年1月に帰国。2016年に自身の体験を通したアートや写真のことを綴った著書『アートの入り口 アメリカ編』(太田出版)、及び『同 ヨーロッパ編』を刊行。
便利堂の東京オフィスを拠点にして、写真の古典技法であるコロタイプの普及を目指した海外事業部に席を置き、ソール・ライターやラルティーグのポートフォリオなどを制作した。
- 開催日
- 2018年8月29日(水)
- 時間
- 19時〜
- 会場
- 誠光社
- 定員
- 30名さま
- 参加費
- 1500円+1ドリンクオーダー
- ご予約方法
- 満席につきご予約受付を終了しました