小説家のブックトーク第二回「おもろい」 柴崎友香
2017.11.3 19時-21時
「おもしろうて、やがて哀しき」と名句にあるように、面白さは、はかなさや虚しさと表裏一体です。ある日、ある場所に複数の人間が集まり、楽しげな状況が生まれ、それがいつかは損なわれてしまう。そんな刹那的な時間と空間を描き続ける柴崎友香さんの作品世界に、抗いがたい魅力があるのは、いつかは消え去ってしまう時空の「面白さ」が、手触りとともに緻密に描かれているからではないでしょうか。芥川賞作家であると同時に織田作之助賞作家でもある柴崎さんの作品世界になぞらえて言えば「おもろい」は、表層的な会話や描写を超えたところにある重要なエッセンス。
今回柴崎さんの「おもろい」旧友であり、レコードショップ「100000tアローントコ」店主の加地猛さんを聞き役にお迎えし、そのエッセンスを垣間見ることが出来るような「おもろい」本を三冊ご紹介頂きます。あわせて最新刊『千の扉』についてもお話を伺います。
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柴崎友香【しばさき・ともか】
1973年大阪府生まれ。99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が文藝別冊に掲載されデビュー。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年「春の庭」で芥川賞を受賞。その他の小説に『パノララ』『かわうそ堀怪談見習い』など、エッセイに『よう知らんけど日記』ほか、著書多数。趣味は、写真と地図。
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加地猛
京都市役所前のレコードショップ「100000tアローントコ」店主。柴崎さんとは20年来の「おもろい」お友だち。
- 開催日
- 2017年11月3日(金)
- 時間
- 19時-21時
- 会場
- 誠光社
- 定員
- 30名さま
- 参加費
- 1500円+1ドリンクオーダー
- ご予約方法
- 満席につきご予約受付を終了しました