それから先のことは… 『神戸、書いてどうなるのか』文庫版刊行記念トーク
2024.8.24 19時〜
スズキナオさんはずっと気になる存在でした。特に小説新潮での「家族が一番わからない」という連載(のちに「思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる」として単行本化)が好きで、毎回、ドキドキしながら読んでいました。23年の初夏に淡路島の岩屋でばったりお会いしたときに、はじめてちゃんと話をしました。銭湯の隣で臨時営業する立ち飲み屋でたいへん愉しく呑みました。淡路から明石に帰る高速艇のデッキで缶酎ハイを奢ってもらい、お互いに酔っていて、なんでそんな話になったのか思い出せないんですが、二人とも加藤和彦のアルバム『それから先のことは』が好きだということで盛り上がりました。スズキナオが書く文章とトノバンこと加藤和彦の音楽に共通するなにかはまだ見出せませんが、トノバンの割るに割れない、不可思議な魅力に惹かれる気持ちになにか近しいものを感じています。ということで、『それから先のことは』を振り出しに、いろいろ話がしたいです
安田謙一(ロック漫筆)
私が東京から大阪へ越してきたのが2014年の夏で、翌、2015年に安田謙一さんの『神戸、書いてどうなるのか』の「ぴあ」版の方が出て、割とすぐに買った。大阪に越してきた当初は仕事がなくて暇で仕方なく、安田さんの本をリュックに入れてよく神戸を歩いた。それから時間が経ち、自分なりに神戸の好きな場所をいくつか見つけてきたような気がしたが、今度ちくま文庫から再リリースされた『神戸、書いてどうなるのか』を読むと、自分が発見したと思っていた場所はだいたいすでにこの本の中に書かれていたことに改めて気づく。この本を読んで歩いていたのだから当然か。
一読者として知っていただけの安田さんに、神戸でいつかばったり会うかもしれないと思っていたけど、そんな機会はめぐって来なかった。それで油断していたら淡路島の古い銭湯の脇の立ち飲みスペースでふいに遭遇し、そうなると緊張して何を話していいかまったくわからない。「神戸のあの店、いいですね!」とか、後で考えてみれば言いたいことはあったはずなのに、「加藤和彦の『それから先のことは』が好きなんです!」と、なぜかそんなことをいきなり言ってしまった。相変わらず緊張するけど、せっかくの機会なので、それから先のことを少しでも話せたらうれしいです。
スズキナオ(ライター)
- 開催日
- 2024年8月24日(土)
- 時間
- 19時〜
- 会場
- 誠光社
- 定員
- 25名さま
- ご参加費
- 1500円+1ドリンクオーダー