〈民俗学〉と〈民藝〉は、アートをどう捉えたか 連続対談「オルタナティブ民俗学」第4回
2024.6.29 19時〜
「民」の字を冠するふたつの“運動”、民俗学と民藝は、雑誌『民藝』誌上の対談(1940年)で柳田国男と柳宗悦の対話が“かみあわなかった”ことから奇妙な距離が生まれました。この距離は、民俗学の側に立つ渋沢敬三・宮本常一による「民具」の追求もあって、埋まることはなかったように見えます。
けれども、常民・民衆が生活のなかでつくり出した「モノ」を、どのように評価すべきかについては、現在も問い直されて続けているでしょう。
近年の民俗学には、「フォーク・アート」や「ヴァナキュラー・アート」への着目があり、そうした傾向はさらに強まってきています。
今回は弊店の人気企画で、単行本も評判の『アウト・オブ・民藝』の共著者のひとり、美術家の中村裕太さんをゲストに迎えて、「芸術」や「工芸」を媒介に、「民俗学」と「民藝」の関係の再検討をはかります。ぜひご参加ください!
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中村裕太
1983年東京生まれ、京都在住。2011年京都精華大学博士後期課程修了。博士(芸術)。京都精華大学芸術学部准教授。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。 文献調査やフィールドワークによる観察をもとに仮説を積み上げ、自らの手で実験した造形物を通して、近代以降の周縁的な工芸文化を考察していく。著書に『アウト・オブ・民藝』『アウト・オブ・民藝 ロマンチックなまなざし』(ともに誠光社)。8月25日(日)まで東京世田谷の生活工房で「アウト・オブ・民藝 「民」から芋づる編 MINGEIのB面!」を開催中。
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島村恭則
民俗学者。1967年東京都生まれ。関西学院大学社会学部長、教授。世界民俗学研究センター長。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科文化人類学専攻単位取得退学。文学博士。専門は、現代民俗学、民俗学理論。韓国、中国、日本各地などでフィールドワークを行なっている。著書に『みんなの民俗学』(平凡社新書)、『民俗学を生きる』(晃洋書房)、『〈生きる方法〉の民俗誌』(関西学院大学出版会)、『日本より怖い韓国の怪談』(河出書房新社)ほか。新刊は『現代民俗学入門』(編著、創元社)。
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畑中章宏
民俗学者。1962年大阪府生まれ。近畿大学法学部卒業。災害伝承・民間信仰から、最新の風俗・流行現象まで幅広いテーマに取り組む。著書に『天災と日本人』『廃仏毀釈』(ちくま新書)、『柳田国男と今和次郎』『『日本残酷物語』を読む』(平凡社新書)、『災害と妖怪』『忘れられた日本憲法』(亜紀書房)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』(春秋社)、『宮本常一』(講談社現代新書)ほか。
新刊は『100分de名著 宮本常一『忘れられた日本人』』(NHK出版)。
- 開催日
- 2024年6月29日(土)
- 時間
- 19時〜
- 会場
- 誠光社
- 定員
- 満席に付きご予約受付を終了しました
- ご参加費
- 1500円+1ドリンクオーダー