人類学の知恵袋 ――学ぶ・育てる・働くの「あたりまえ」を問う
2019.5.17 19時〜
毎日テレビやインターネットからたくさんの情報が降り注いでくる。いろんな報道を前にして「どうにかしたい」と思う一方で、「考えてもしかたない」とも思ってしまう。そんなあなたにぴったりなのが『文化人類学の思考法』です。
この本は、「あたりまえ」の外へと出ていくための思考の道具が詰まった、考える人のための道具箱です。「近く」の出来事を「遠さ」のなかで理解する文化人類学の思考法を、具体的なトピックに沿って解説します。
本の刊行を記念して、トークイベントを開催します。編者で人類学者の松村圭一郎さんと石井美保さんが、ゲストに矢萩多聞さんをお迎えします。装丁家として有名な矢萩多聞さんは、二十年以上にわたり南インドと日本とを行き来して、現地に入り込んだ生活を続けておられます。また、矢萩さんと石井さんはお子さんどうしが同級生という間柄でもあります。
今回のイベントでは、学校、家族、仕事にまつわる日常の悩みをとりあげ、お三方の異国での体験談やエピソードを紹介しながら、日本の「あたりまえ」について、みんなで考えていきます。
日常の暮らしのなかのふとした疑問や悩みを解くヒントが、インドやアフリカなどフィールドの話から見つけられることでしょう。
当日、会場からの質問や相談も受け付けます。せっかくの機会、ぜひご参加ください。
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松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)
1975年生まれ。文化人類学者。京都大学総合人間学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授。エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを続け、富の所有と分配、貧困や開発援助、海外出稼ぎなどについて研究している。
おもな著書に『所有と分配の人類学』(世界思想社)、『文化人類学 ブックガイドシリーズ基本の30冊』(人文書院)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社、第72回毎日出版文化賞〈特別賞〉受賞)。
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矢萩多聞(やはぎ・たもん)
画家・装丁家。1980年横浜生まれ。9歳から毎年インド・ネパールを旅し、中学1年生で学校を辞め、ペン画を描きはじめる。1995年から南インドと日本を半年ごとに往復し個展を開催。2002年から本をデザインする仕事をはじめ、現在までに500冊を超える本を手がける。2012年、事務所兼自宅を京都に移転。著書に『偶然の装丁家』(晶文社)、『たもんのインドだもん』(ミシマ社)、共著に『タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』(玄光社)、『本を贈る』(三輪舎)がある。
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石井美保(いしい・みほ)
1973年生まれ。文化人類学者。北海道大学文学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学人文科学研究所准教授。アフリカのガーナとタンザニア、南インドをフィールドとして、宗教実践や環境運動などについて研究している。
おもな著書に『精霊たちのフロンティア』(世界思想社)、『環世界の人類学』(京都大学学術出版会)。
- 開催日
- 2019年5月17日(金)
- 時間
- 19時〜
- 会場
- 誠光社
- 定員
- 30名様
- ご参加費
- 1500円+1ドリンクオーダー
- ご予約方法
- 満席につきご予約受付を終了しました。